AGE(終末糖化産物)とは?
AGEとは過剰に摂取したブドウ糖などの糖質がタンパク質と結合して生まれる最終反応物です。タンパク質と糖が加熱されてできた物質で強い毒性を持ち、老化を進める物質と言われています。
糖+タンパク質→糖化(タンパク質が劣化する反応)→AGE
AGEが溜まる主なルート
①体内のタンパク質そのものが糖化
②食事でとったAGEが体内に蓄積する
→タンパク質は血糖値が高い状態が続くと糖化しやすいので、血糖値には気をつけるべきと言えます。食品に含まれるAGEの約7%は消化の過程で体内に溜まります。
AGEが多い食品:肉や魚、チーズなどのタンパク質が多い食材/ベーコンやバター
これらを焼く、揚げるなどの高温調理することで食品中のAGE量は増えます。調理する際は生で食べる/茹でる、蒸すなどがおすすめです。
また炭酸飲料・お菓子・缶詰は甘味付けで使われています。甘味料はブドウ糖の10倍の速さでAGEを作ると言われています。商品を買う際には成分表示を見てください。
果糖液糖/果糖ブドウ糖液糖/果性果糖には要注意です。
AGEがもたらす悪影響
肌の老化
肌の土台や関節軟骨を作る「コラーゲン繊維」はAGEが溜まりやすく、老化しやすい場所です。皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層でできて老化に関わるのは表皮と真皮。真皮の厚みは1~5mmですが約7割をコラーゲン繊維が占めています。このコラーゲン繊維は肌の弾力を保つと同時にAGEの影響を受けやすい場所でもあります。
今まではシミ・シワ・たるみなどの老化は紫外線などの外的要因が1番の原因と考えられてきましたが、最近では内的要因である糖化の進行が大きな原因と考えられています。つまり糖化(コゲ)が溜まることにより、シミなどの肌の老化が進んでしまうのです。
多くの人は肌ケアなど、外からの予防をしていると思いますが、根本原因となる内側からのケアとして、食事の改善が効果的と言えます。
骨や血管がもろくなる
コラーゲンは骨の多くに含まれるため、コラーゲン繊維にAGEが溜まるとコラーゲン同士の正常な結びつきが失われ、骨の土台がもろく硬くなり、変形に繋がります。これが骨粗しょう症や変形性関節症などの病気の原因とも言われています。
血管も肌と同じようにコラーゲン繊維というタンパク質でできています。血管が細くなったり硬くなったり詰まったりすると動脈硬化に繋がります。これがさらに進行するとで命に関わる病気のリスクが高まると言われています。
認知症や白内障などの病気のリスク
脳にコラーゲンが溜まる(=糖化が進む)と認知症。目に溜まれば白内障にかかりやすくなると言われています。肌の老化だけでなく体内の様々な部分の老化により、多くの病気に関わっているのが糖化により発生するAGEです。
実際にアルツハイマー型認知症/糖尿病/心臓病/更年期障害/癌/不妊症などの病気や症状もAGEが原因であるという報告もあります。
AGEの発生を抑える栄養成分と食べ物
ビタミンB群
中でもビタミンB1とビタミンB6が糖化を抑制しAGE発生を抑えると言われています。
ビタミンB1=疲れや肩こりに効く 豚肉/うなぎ/ナッツ類など
ビタミンB6=美肌効果あり レバー/牡蠣/秋刀魚/あさり/ニシンなど
ポリフェノール
糖化の抑制だけでなく酸化も抑制する。
赤ワイン/緑茶/ブルーベリー/チョコレート/ごま/トマト/りんごなど
強力な抗酸化作用とともにともに高糖化作用もあるので積極的に摂りたいです。
α-リポ酸
人の細胞1つ1つの中に存在しているが、加齢とともに作られる量が減っていく成分。抗酸化作用が高くAGEを溜まりにくくします。
ほうれん草/ブロッコリー/にんじんやトマトなどの緑黄色野菜
糖化・酸化ともに抑制する食べ物
ハーブ・スパイスなどの香辛料
香辛料の独特の風味はポリフェノールによるものが多いため、ハーブとスパイスは全体的に抗酸化物質やミネラルが多く含まれるアンチエイジング食材。
中でも強力に糖化を防ぐのがシナモン/クミン/バジル/黒胡椒です。
大豆食品
ポリフェノールの一種で強力な抗酸化成分の大豆イソブラボンや高糖化作用のビタミンB1が豊富に含まれている。豆腐/きな粉/納豆など
レモン・酢・ビネガー
共通する成分はクエン酸で疲れをとる働きがあります。クエン酸は抗酸化作用だけでなく、体内でも糖代謝を促します。
※料理と一緒に摂ることで、糖化を抑制する働きがある
揚げ物にレモンや酢をかけるだけで、料理に含まれるAGEの量が半分近くに減るという研究報告もあります。
まとめ
これまでの老化といえば、体のサビである酸化が1番の原因と言われていました。ですが、最近は体のコゲである糖化の方が老化の原因であることがわかっています。この糖化によって作られる悪玉物質をAGEと言います。AGEが多い食べ物の揚げ物やパンケーキといった焼き色がついた物は美味しくやめることが難しいかもしれませんが、蒸す・茹でるなど調理方法を変えてみたり、レモンや酢、スパイスを料理に使うなど工夫をすることでAGEの量は減らせます。いつまでも若々しく健康な身体でいるために食事の見直しをしてみませんか。
守ろう家族。守ろう未来。
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