自然治癒力を高める食習慣②

健康

前回の記事に続き、自然治癒力を高める食習慣を紹介します。

免疫力を高め、病気にならない健康な体を作りましょう。

自然治癒力を高める食習慣

砂糖は万病の元

砂糖の摂取は身体に多くの悪影響を及ぼします。「砂糖」には、純度を高めたり白くするためにたくさんの化学薬品が使われていて、これが消化に大きな負担となります。そのうえ特有のサラサラ感を出すために、ビタミンやミネラルといった天然の栄養分は取り除かれているのです。

砂糖はブドウ糖と果糖が結びついてできています。これらの分子の結合は強固で胃酸や酵素でもなかなか切り離せません。分解するには大量の消化酵素を浪費するため砂糖は強力な酵素阻害剤なのです。酵素を無駄遣いさせたあげく、消化しきれなかった砂糖は腸内で悪玉菌や真菌(カビ)のエサとなります。腸内の腐敗が進み、有害物質が発生します。これが体内に吸収されて血液を汚し、病気の原因へと繋がります。

私たちの体の大部分はタンパク質からできていますが、血液中に糖が増えると、タンパク質と糖が結びつく「糖化」が起こりやすくなります。

糖化・・・組織のタンパク質の形を変えたり、症状を悪くさせ老化を早め、血流を悪化させます血流の悪化は病気の最大の原因であり、頭痛やめまい、痛みや痺れなどの症状からがんや難病に至るまで、あらゆる病気を引き起こします。

このように砂糖は酵素を減らし腸や血液を汚して身体に害をもたらします。病気を予防・改善するうえでも砂糖の摂取は控えたいです。

肉食(食の欧米化)は間違い

日本人の食生活の中で、近年肉食がおおくなってきています。以前は大豆食品などの植物性タンパク質か魚介類が日本人の主要なタンパク源でした。日本人の腸の長さは平均で9メートル。欧米人の腸は2メートルほど短いと言われています。

長い腸(日本人):食物繊維を含む植物性の食品を消化・吸収するのに適している

短い腸(欧米人):腸内に長く留まり、腐敗しやすい動物性タンパク質(肉)を体外に出すのに適している

こうした民族的な体質は何千年にもわたる食文化・食習慣によって形成されたものであり、数十年の変化=食の欧米化に日本人の体は適応できていません。なのでタンパク質の取り方にも工夫が必要です。

”動物性タンパク質”は腸内に残りやすく、消化不良が起こると体内の酵素が大量に消化に回されます。そのため消化以外の働きをする酵素が不足し、代謝が滞り、体は弱まります。さらに消化不良によって腸内に悪玉菌が増え、有害物質を生み出し、それが腸の粘膜を溶かすと「リーキーガット症候群」をおこします。

リーキーガット症候群•••栄養を吸収する小腸の腸絨毛に炎症が生じ、本来は吸収されない毒素や未消化の大きな分子までが血液中に取り込まれます。こうなると血液はドロドロになり、アトピー・喘息などのアレルギークローン病といった難病など多くの病気が生じます。

ですが、肉や卵・魚・乳製品などの動物性食品にはアミノ酸やビタミンB群など生野菜や果物だけでは十分に摂取できない栄養素があります。全部で20種類あるアミノ酸はバランスよく摂らないといけません。一つ欠けただけでもほかのすべての吸収が悪くなります。ビタミンB群も同様で、特にビタミンB12は野菜にはほとんどありません。欠乏するとめまいや貧血のリスクがある栄養素であり、動物性食品から補う必要があります。

タンパク質は身体にとって大事な栄養素で問題は質です。動物性タンパク質の摂りすぎに注意して、身体に負担のかからない大豆などの豆類や海藻類などの植物性タンパク質を摂るようにしましょう

悪い脂を避ける

脂肪は肥満や病気を作り出す悪者と思われがちですがそんなことはありません。細胞膜の70%/脳の60%は脂肪でできています。また、エネルギー源でありながらその貯蔵庫でもあります。他にも体温調節/ビタミンの吸収や運搬/ホルモンの産生・分泌などたくさんの働きがあります。

大切なのは悪い脂質を避けて良質な脂質を摂ることです。

健康を害する脂質としてトランス脂肪酸があります。トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなどに含まれていて「食べるプラスチック」とも呼ばれています。このトランス脂肪酸で細胞膜が作られると、有害物質が細胞内に入りやすくなったり、細胞がエネルギー交換をできなくなったりして糖尿病/ホルモン異常/肝臓障害/アレルギーなどのリスクが高まります。また血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞/脳梗塞など血管系の病気を引き起こします。

WHO(世界保健機関)もトランス脂肪酸の危険性について勧告を行っており、デンマーク・英国・米国など各国で禁止・規制がされているほどです。日本では使用が認められているので自らが食べるものを選び、避けるしかありません。

トランス脂肪酸と並んで注意したいのはリノール酸です。この油は植物性の大豆油/コーン油/ひまわり油/米油などに多く含まれています。植物油は健康に良いと思われがちですが、近年の研究では摂り続けることでコレステロール値を上昇させることがわかりました。リノール酸は血を固まりやすくさせ血管の収縮をさせるため、トランス脂肪酸と同じく脳卒中心臓病の発症率が高まります。また、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギーのほか、老化がんの原因にもなります。

リノール酸は体内では作られない必須脂肪酸であり必要な栄養素ですが、大豆・小麦・米などの穀物に含まれており、これらから摂取する量で十分なのです。

トランス脂肪酸やリノール酸はあらゆる食品に含まれています。

ファストフード インスタント食品 ビスケットやスナック菓子 スイーツやパン お惣菜など

こうした食品には砂糖や食品添加物も大量に使われており、体内の酵素を減らして代謝を下げ、腸を荒らして免疫力を弱めます。

良いものを摂ることも大切ですが、まずは悪いものを避けることが大切です。

身体にいい脂 摂るべき食品

脂(油)は身体にとってなくてはならない栄養素ですですが病気を作り出す脂も存在するので、「身体にいい脂を適切な量だけ摂ること」が大切です。

①EPA(エイコサペンタエン酸)やDPA(ドコサヘキサエン酸)

ニシンやイワシ・サバやアジなどの青魚

②α-リノレン酸

亜麻仁油やエゴマ油、シソ油/クルミやアーモンドなどのナッツ類/ネギや白菜・キャベツや大根などの冬野菜

③オレイン酸

ごま油や菜種油・玄米オイル/ナッツ類

①と②は「オメガ3系」とよばれる脂肪酸の仲間です。身体に悪い油のひとつであるリノール酸は「オメガ6系」の脂肪酸です。どちらも必須脂肪酸で3系・6系という呼び名は分子構造の違いからきています。

トランス脂肪酸やリノール酸が血液中の悪玉コレステロールを増やすのに対し、オメガ3系脂肪酸悪玉コレステロールや中性脂肪を減らします。また、血液をサラサラにし、炎症や血栓ができるのを防ぎます。それにより動脈硬化/高脂血症/高血圧などの生活習慣病の予防・改善に効果があります

さらにオメガ3系はアレルギーや癌を引き起こすオメガ6系の作用を打ち消すことにもはたらきます。血管を収縮させ血液を固まりやすくさせるリノール酸(オメガ6系)と、血管を広げ、血栓を予防する働きのあるα-リノレン酸(オメガ3系)のバランスが重要です。同じぐらいの量なら問題はないですが、リノール酸の割合が大きくなるほど病気になる危険性は増すので注意が必要です。

「脂肪」は脳をはじめ体の材料であると同時に、体温・免疫・ホルモンなど体の働きにおいても重要な役割を果たしている大事な栄養素です。=脂の質が健康に影響します。

オメガ3系脂肪酸は熱に弱いので、ドレッシングなど生で使うのがおすすめです。加熱料理には熱しても酸化しにくいオレイン酸が多く含まれるゴマ油・菜種油・玄米オイルがおすすめです。

まとめ

これらからわかるように自然治癒力を高めるためには、砂糖をとることを控え、質の良い脂を摂るようにしましょう。何を摂るかよりも何をやめるか。まずはここから始めてみてください。

身体は食べたものでできています。そして無知は罪です。食べるものに責任を持ち、自分自身ももちろんですが、家族や大切な人も守りましょう。

守ろう家族。守ろう未来。

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