前回に引き続き自然治癒力を高める食習慣について紹介していきます。
食習慣や生活習慣を見直すきっかけになれば嬉しいです。
自然治癒力を高める食習慣
生食と加熱食はバランスが大事
酵素は熱に弱いので、加熱した食物から生きた酵素は摂り入れられません。なので生野菜や果物などの生の食物をお勧めしています。ですが、生食だけ食べていればいいと言うわけではありません。生食と加熱食の割合は6:4/5:5ぐらいが理想と言われています。
生食に偏ってはいけない理由
①生食だけでは不足する栄養素がある
生野菜や果物だけでは不足する栄養素があります。なかでも動物性食品に含まれるアミノ酸とビタミンB群は重要です。特にエネルギーを生み出すのに必要なビタミンB12は不足すると、体力がなくなり睡眠障害や神経系の障害/消化器官の障害/悪性貧血など多くの症状や病気の元となります。
②野菜・果物の栄養低下
市場に出回っている野菜や果物は、農薬の大量使用によって土壌自体が栄養不足となり、年々栄養価が落ちてきています。当然、含まれている酵素の量も減っているので栄養学的にも肉類・魚介類・卵などの動物性食品は必要です。
③加熱で栄養価が高まるものもある
脂溶性(油に溶けやすい)ビタミンA・D・E・Kは油と一緒に調理すると吸収率がアップします。脂溶性ビタミンを多く含む人参/かぼちゃ/ほうれん草といった緑黄色野菜は油で炒めたほうが栄養素を摂りやすくなるのです。また、蒸し野菜や煮野菜にすると細胞が壊れて消化・吸収が良くなるうえ、食べやすくなるので食物繊維もたくさん摂れます。大根や椎茸は干すことで繊維やミネラルが豊富になります。
④生食だけではストレスが溜まる
極端すぎる食生活はストレスを生じさせます。ストレスは病気の大きな原因です。健康になろうとして行っていることがストレスとなっては本末転倒です。生野菜や果物をたくさん摂る酵素中心とした食生活は、加熱食も摂りつつ無理なく続けていくことが大切です。
栄養と摂取量のバランスをとりながら、生食と加熱食を上手に組み合わせるように心がけましょう。
体をさびさせる活性酸素
活性酸素は人間の体を酸化させます。酸化は健康を脅かす最大の敵です。活性酸素には普通の酸素の数百倍〜数千倍もの酸化力があります。私たちは呼吸によって体内に取り入れた酸素を使って食物の栄養素からエネルギーを取り出しています。この時に使われる酸素の2%ほどが活性酸素に変わると言われています。このほか新陳代謝を行ったり、体を病原体から守ったりと生きている限り私たちの体内では活性酸素が発生しているのです。
活性酸素の発生源は日常生活にも溢れています。薬/食品添加物/タバコ/お酒は酵素を減らすだけでなく、活性酸素を増やします。そのほか大気汚染などの環境汚染/農薬や殺虫剤などの化学物質/電化製品やOA機器から発生する電磁波/激しいスポーツ/そしてストレス。これら全ては体の中に活性酸素を生み出します。
このようにして毎日大量発生し続けている活性酸素によって、細胞や組織がサビつくのが老化であり病気です。
ありとあらゆる病気や症状に活性酸素は関係しています。
この活性酸素から体を守ってくれているのも酵素です。活性酸素を無毒化してくれる酵素を抗酸化酵素といい、最も盛んに作られるのは20代ですが、40代では半分しか作れなるなると言われています。
生野菜・果物・発酵食品から食物酵素を摂り入れて代謝酵素の一つである抗酸化酵素の働きを高めることが病気や老化を防ぐことにつながります。
抗酸化物質も活性酸素と戦う強い味方
活性酸素と戦ってくれる物質を「抗酸化物質」と呼びます。体内で生成される抗酸化酵素は代表的なものですが、食物から摂り入れる栄養素の中にも抗酸化物質として働くものがあります。
①ビタミン
ビタミンA・C・Eは抗酸化ビタミンと言われ、活性酸素を無毒化する働きがあります。その抗酸化作用からアンチエイジングやがん予防に効果があると言われています。
これらをまとめて「ビタミンエース(ACE)」と呼ばれています。
ビタミンA |
人参 ほうれん草 かぼちゃ 大根 豚や鶏のレバー うなぎ |
ビタミンC |
レモン キウイフルーツ いちご ブロッコリー ピーマン |
ビタミンE |
アーモンドやピーナッツ等の種実類 たらこや筋子などの魚卵 植物油 |
抗酸化ビタミンは協力して働くことで効果が高まるので、いろんな食品を摂ることが大切です。
②ファイトケミカル
ファイトケミカルは植物が紫外線や虫などの外敵から身を守るために作り出す物質の総称です。このファイトケミカルが近年、強力な抗酸化物質として注目を集めています。ファイトケミカルは一万種あると言われ、トマトのリコピン/大豆のイソフラボン/ほうれん草のルテイン/ぶどうのレスベラトロールなど、色素等に存在する抗酸化成分がファイトケミカルです。特におすすめのファイトケミカルはケール・ブロッコリー・ほうれん草などに豊富なルテインです。
ルテイン(ケール/ブロッコリー/ほうれん草) |
子宮がん、肺がんのリスクを低減。白内障/緑内障/加齢黄斑変異症など目の予防・改善にも効果的 |
リコピン(トマト/スイカ) |
動脈硬化やがんを予防に効果的 |
アリシン(ニンニク/ネギ/ニラ) |
がんの予防/血栓の予防・改善/エネルギー代謝に必要なビタミンB1の吸収率を高める効果 |
酵素食の代表である野菜や果物をしっかり摂っていれば、免疫力を高め、病気や老化を防ぐファイトケミカルが自然に摂り入れることができるのです。ファイトケミカルは皮に多いので、よく洗ってできるだけ皮ごと食べるのがいいでしょう。
食品添加物を避ける
食品添加物も化学的に合成された物質で、人体にとっては異物であり毒物です。化学物質という意味では薬と変わりません。私たちが口にしている食品添加物の量は年間でおよそ4〜8キロと言われています。食品添加物は食品の保存性を高めたり色やにおいをつけるために使われているもので、その多くが薬と同じ化学物質です。体内に摂りこまれるとまず肝臓に運ばれて、毒物として酵素に分解され、分解しきれなかった分が血液によって全身を回ります。これも薬と同じです。
食品添加物も強力な酵素阻害剤なのです。
また、食品添加物は活性酸素を発生させ、ホルモンや臓器の働きを弱め、免疫力を低下させます。アレルギーのもとになったり、遺伝子の突然変異を起こし、癌や先天性の異常の引き金となる可能性もあります。
国の基準でOKとされ、現在使用されてる食品添加物のなかにも、発がん性が指摘されてるのも多くあるのが現実です。
・発色剤の亜硝酸ナトリウム(ハム/ソーセージ/ベーコン)
・着色料の赤色2号(お菓子/清涼飲料水)
・保存料の安息香酸ナトリウム(栄養ドリンク/清涼飲料水/マーガリン)
・酸化防止剤のBHA(インスタントラーメン)
現代の食生活で食品添加物を完全に避けることは不可能に近いです。それでもインスタント食品/加工食品/ジャンクフードといった添加物が使われている可能性が高い食品はなるべく避ける、食品を買う時には成分表示をチェックするなどできることをやっていきましょう。
低GI値食品ですい臓を守る
GIとはグリセミックインデックスの略でわかりやすくいうと「食品を食べた時の血糖値の上がりやすさを表す数値」のことです。
GI値の低い食品→緩やかに血糖値が上がる
GI値の高い食品→急に血糖値が上がる
血糖値が急に上がると、血液中の糖を脳や筋肉を始め、各組織に送り込む働きであるインスリンが早急かつ大量に必要となります。なのでインスリンをつくる膵臓にとって大きな負担となるのです。
また、一度にたくさん出してしまったインスリンは糖を脂肪として溜め込むため、GI値が高い食品は肥満に繋がります。
血糖値を急上昇させるような食事を繰り返していると、膵臓が疲弊しインスリンの分泌が少なくなったり、タイミングが悪くなり糖尿病のリスクが高まります。
健康を保つうえでも肥満を防止するうえでも、食事で血糖値を上げすぎないこと。GI値の低い食品を中心に食べるようにすることが大切です。
高GI値(71以上) |
砂糖 食パン 白米 チョコ 砂糖を使った菓子類 白い炭水化物など |
中GI値 |
パスタ うどん アイスクリーム かぼちゃなど |
低GI値(60以下) |
そば ライ麦パン 玄米 五穀米 さつまいも ナッツ類 ゴボウなど |
食パン→ライ麦パンや全粒粉パン うどん→そば/白米→玄米や雑穀を混ぜる
血糖値を下げる働きのある酢の物や大豆食品をおかずに入れるなど工夫をすることで血糖値の急上昇は防げます。
また、食物繊維は糖の吸収を遅らせます。食物繊維が豊富に含まれた野菜を一緒に摂り、他の食品よりも先に食べることでも血糖値が上がるのを抑えられるのです。
まとめ
これらからわかるように、自然治癒力を高めるには食事のバランスが大切です。
生食だけ食べていればよかったり、野菜や果物だけを食べていればいいということではないのです。
身体は食べたものでできています。まずはバランスのいい和食(まごはやさしい)を意識して食べることをオススメします。そして身体に悪い食べ物をやめてみましょう。体の変化が感じられると共に健康へと近づきます。
無知は罪です。自分自身はもちろんですが、家族や大切な人を守りましょう。そして健康で明るい未来を築いていきましょう。
守ろう家族。守ろう未来。
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